AIエンジニア大全

🛠️ ツール選びと使い方 14問

Cursor・Claude Code・ChatGPTなどの比較と使いこなし

Q

CursorとClaude Codeはどのような用途で使い分ければいいですか?

講義でCursor(AIと対話しながらコードを編集できる開発環境)とClaude Code(AIがプログラムを直接操作・実行するツール)を使い分けているという話があり、その具体的な基準についての質問です。

講師の現在の使用比率はCursorが7割、Claude Codeが3割で、最近はCursorの割合がさらに増えているといいます。ただし、どちらかが圧倒的に優れているわけではなく、一長一短だとしています。

使い分けの基準は「何を作っているか」です。図解ツールのようなコンテンツを作りながら、AIと相談しつつ一緒にツールを磨いていく作業ではCursorの方がやりやすいといいます。一方、Webアプリケーションやスマートフォンアプリを作ることが最初から決まっている場合は、最初からClaude Codeで作業を進めるとのことです。

Claude Codeはプログラムを作ることに最適化されたツールであるため、プログラム作成以外の用途で使うことは「ダメではないが、ベストな選択肢ではない」というのが講師の見解です。Cursorには仮想環境(手元のパソコンを汚さずに試せる隔離された作業スペース)が使える、Slack上からAIを呼び出せるといった便利さがあります。

まとめると、純粋にプログラムを書く作業であればClaude Codeが向いており、それ以外の幅広い作業や、AIと対話しながら試行錯誤する場面ではCursorが向いています。初心者のうちはまずCursorから始めるとよい、というのが講師の考えです。

第1回 質問コーナーより 関連: 第1回講義
Q

Cursor以外で、最近使ったAIで衝撃的だったサービスは何ですか?

Cursor以外で最近使ったAIサービスの中で、特に衝撃を受けたものを教えてほしいという質問です。

講師が挙げたのは「Claude Cowork」というサービスです。Claude Coworkは、パソコン上でやりたいことのほぼすべてをAIに任せられるツールで、ブラウザ操作もClaude in Chrome(ブラウザ上でAIが賢く操作を代行する機能)で扱えるうえ、パソコン内のファイル操作までできてしまいます。講師は「これってもうすべてできるじゃん」と衝撃を受けたと語っています。

一方で、教える立場としては複雑な思いもあるといいます。Claude Coworkがあれば、Cursorのような開発環境はもう不要になってしまうのではないかという懸念です。しかし、AIの進化のスピードは速く、どのツールが便利かという評価は常に変化していくものであるとしたうえで、現時点ではCursorの価値、そしてGitを使う価値もまだ十分にあると講師は考えています。Claude Coworkを徹底的に使い倒したうえでも、その考えに変わりはないとのことです。特にブラウジング操作がシームレスな点が優れており、難しい作業も任せられる便利さがある一方、Claude Coworkにも限界はあるといいます。

第1回 質問コーナーより
Q

AIに微修正を頼むとデザインが崩れます。防護策やプロンプトのコツはありますか?

図解の自己紹介ページなどを作り込む中で、AIに細部のUIやデザインの微修正を続けて依頼すると、せっかく整えたスタイルが崩れてしまう現象に悩んでいるという質問です。良い状態のものを都度キャプチャで残して防護策にしているが、AIにデザインを維持させたまま微修正させるコツを知りたいという内容です。

講師の答えはズバリ「Git(ファイルの変更履歴を記録し、いつでも過去の状態に戻せる仕組み)」です。こまめにコミット(変更内容を記録として保存する操作)するのは、エンジニア界隈ではすでに常識になっています。コミットしておけば、その時点の状態にいつでも戻れるからです。AIに指示を繰り返すとデザインがかえって崩れてしまうのは非常によくある現象で、パッと作った時点ではいい感じでも、それを修正しようとするとおかしくなってしまいます。コミットは作業がすべて終わってからではなく、途中でもこまめに行うのがポイントです。

デザインが改悪してしまう問題自体は、AIの仕組み上どうしても起きてしまうものです。「ここを直して」と指示すると、AIの意識がその部分だけに向いてしまい、全体のバランスを取れなくなってしまうためです。これに対する対策は2つあります。1つは「プロのUI/UXデザイナーとして仕事をして」と、AIにデザイナーとして振る舞ってほしいことを明確に伝えること。もう1つは「パッチワークにならないように、プロの仕事をして」と伝えることです。パッチワークとは、その場しのぎで部分的な修正だけを繰り返すことを指します。「ここがおかしい」「あそこがおかしい」という指示を繰り返すと、その都度、他の場所がどんどん壊れていってしまいます。

UI・見た目・デザインは、すべての要素のバランス関係で成り立っています。何か1つを追加したり削除したりすれば、本来は全体を調整し直す必要があります。しかしAIに「ここを削除して」「これを追加して」「ここをもっとこうして」と指示すると、その部分のことしか考えなくなり、全体へのアテンション(注意)が向かなくなってしまいます。そこで講師は、修正を実行する前に、アスキーアート(文字や記号で図形を表現したもの)を使って「この修正をした後どんなUIになるか」をチャット上で確認し、意図した見た目になっていることを確かめてから実行するようにしているといいます。

最も避けるべきなのは、パッチワークを繰り返し続けることです。「ここもっと右」「この要素を削除して」「この色を変えて」という指示を積み重ねていくと、AIは何に集中すべきかわからなくなり、性能がどんどん落ちていってしまいます。

第1回 質問コーナーより 関連: 第1回講義 第2回講義
Q

課題はCursorだけでなく、慣れているChatGPTを併用しても良いですか?

課題をCursorで作成しているが、以前から契約しているChatGPT Plusの方が慣れているため、内容の相談はChatGPTで行い、その結果をもとにCursorへの指示文を考えている、Cursorのみで取り組むべきかという質問です。

講師の結論は「ChatGPT Plusで構わない」というものです。講師自身も、すべての細かい質問をCursorで行っているわけではなく、スマートフォンではアプリ版のClaudeを使い、以前はGeminiやChatGPTを使っていたこともあるといいます。細かい疑問の解消や調べ物は、使い慣れたLLM(大規模言語モデル。ChatGPTやClaudeなどの対話型AIの総称)で問題ありません。

一方で、Cursorならではの良さも説明しています。それは、わからないことが解決したら、その内容をそのままシームレスにツールへ反映できる点です。ChatGPTで疑問を解消しても、その内容をコピーしてCursorに貼り付け直すのは手間がかかります。取り組んでいるプロジェクトに関係する調べ物であれば、その情報をそのまま自分のプログラムやドキュメント・文章に反映させたいはずです。講師も、Cursorを使う前はChatGPTやGeminiに考えさせた内容をコピーして別のツールに貼り付ける、ということを繰り返していましたが、Cursorではその手間が一切なくなったといいます。仕事に関連する調べ物をしたら、そのデータを保存したくなるものですが、保存する最も良い方法はリポジトリでGit(ファイルの変更履歴を管理する仕組み)によってコミットすることであり、それがCursorの便利さにつながっています。

なお、Cursorには「Askモード」という、コードを編集せずに質問だけできるモードもあり、講師はよく利用しているとのことです。また、Cursor上でのAIとのやり取りを途中から枝分かれさせる「フォーク」という機能もあります。気になることがあれば会話を分岐させ、その分岐先で疑問を解消しつつ、続きの作業はもとの会話で進める、という使い方をよくしているといいます。

第1回 質問コーナーより
Q

AI初心者にはClaude CodeよりCursorがおすすめとされる理由は何ですか?

非エンジニアがAIで開発を始めるとき、講師は一貫してCursor(AIが組み込まれたコード編集ツール)を最初の一歩としておすすめしています。理由は主に3つあります。

第一に、Cursorはフォルダーとファイルの一覧をサイドバーに表示し、資料をドラッグアンドドロップで渡せるなど操作が視覚的です。Claude Code(ターミナル、つまり文字だけの操作画面上で動くAI開発ツール)は対話中心で進めるため、パソコンのフォルダー構造という前提知識に慣れていない人には、ややハードルが高くなります。

第二に、Git(ファイルの変更履歴を記録・管理する仕組み)の操作をGUI(画面上でクリックやドラッグ操作できる視覚的な画面)で確認できる点です。どのファイルが変更されたか、どんなコミット(変更を保存する単位)があるかを目で見て把握できるため、「何が起きているか分からないままAIに指示を出し続ける」状態を避けやすくなります。Claude Codeにはこの種のGUIがなく、変更内容を知りたいときはAIに質問して確認する必要があります。

第三に、AI-Driven Schoolでは開発だけでなく文章作成も扱うため、マークダウン(記号で書式を表す軽量な文章形式)ファイルを扱いやすいエディタとしての価値もあります。

ただし講師自身は、現在は開発業務でClaude Codeを使う時間の方が長くなっています。これは「Claude Codeの方が優れているから」というより、講師自身の開発の比重が増えたことや、AIモデルの性能向上によるものです。CursorもClaude Codeも、同じAIモデルを使えば動いている頭脳(モデル)自体は同じであり、ツールの違いによる決定的な性能差はありません。

もう一つの理由は、Cursorが特定のAIモデルに縛られないツールである点です。Claude CodeはAnthropic社のClaudeというモデル専用ですが、Cursorは他社のモデルにも接続できます。どのモデルが最も優れているかは常に変わり続けるため、特定モデル専用のツールに学習の軸足を寄せてしまうリスクを避ける狙いもあります。

第2回 質問コーナーより 関連: 第1回講義
Q

1人で開発する場合でもGitは有用でしょうか?ファイル名にバージョンを付けるだけでは不十分ですか?

「最終版_v2」「最終版_改良版」のようなファイル名でバージョンを管理していても、1人開発ならGit(変更履歴を記録・管理する仕組み)は必要かという質問です。結論として、1人開発でもGitは有用です。

Gitはコミット(変更を保存する単位)という形で、変更の差分を丸ごとセーブしていけます。この仕組みがあると「念のため消さずに残しておく」という発想から解放されます。今の作業に不要な文章は削除してコミットしてしまえばよく、必要になったら過去のコミットから戻せます。ファイル名でバージョンを表現するやり方は、ファイルが増えるほど何がどう違うのか分かりにくくなり、管理コストが積み上がっていきます。

ただし注意点もあります。Gitはコードや文章のようなテキストデータの差分管理には向いていますが、Excel・PowerPointのような複雑な形式のファイルや、画像・動画の管理には向いていません。画像はファイル単位で置き換わったことは分かっても、画像の中身の差分を検知する仕組みはGitにはないためです。

また、1人開発の場合はブランチ(作業を分岐させて並行管理する仕組み)を切らず、メインの記録に直接コミットしていくケースがほとんどでしょう。本来はブランチを切った方がよいのですが、1人だと手間が増えて面倒に感じやすいためです。とはいえ、プロのエンジニアほど1人開発であってもブランチを切って作業する傾向があります。そのほうが結果的に効率がよいと経験的に分かっているからです。

第2回 質問コーナーより 関連: 第2回講義
Q

GitをCursor上で実際にどのように動かせばよいですか?

Git(変更履歴を記録・管理する仕組み)がうまく使えない、Cursor(AIが組み込まれたコード編集ツール)上での実際の操作画面を見てみたいという質問です。

前提として、Gitの概念に慣れてくると、多くの人はコミット(変更を保存する単位で記録すること)などの操作をAIとの対話を通じて行うようになっていきます。Cursor上でのGit操作を画面上のボタンで理解できることは望ましいですが、必須ではありません。AIと対話しながらコミットする進め方でも問題ありません。

質問コーナーという形式上、画面を見ながらの細かい操作解説はこの場では扱いきれませんが、講師の運営するポータルサイトへの掲載が検討されています。それを待たずとも、「Cursor コミット 方法」といったキーワードでウェブ検索すれば、基本的な操作の流れはつかめます。

より本質的に伝えたいのは、技術の細部まですべてを丁寧に解説することは、必ずしも効率的な学習ではないという考え方です。講師は過去にGitやプログラミングの教材を作り込んだ経験がありますが、どれだけ丁寧に作っても、必ず理解できない箇所は残ります。人によって納得のポイントが異なるため、多くの人に伝わるよう配慮すればするほど、教材の分量は際限なく膨らんでしまいます。

実際に講師が社内でGitを普及させたときも、一定のリテラシーを持つメンバーに時間をかけて画面を見せながら説明しましたが、一度の説明で完璧に理解し、まったく詰まらずに使えるようになった人はいませんでした。結局のところ「自分が何をしたいか」を明確にし、試行錯誤しながら失敗と成功を繰り返す中で、少しずつ身についていくものです。土台となる知識はドリル(演習問題)で身につけつつ、実際に手を動かし、疑問が出るたびにAIやウェブ検索で調べる。この繰り返しが、Gitに限らず新しい技術を学ぶときの基本形です。

第2回 質問コーナーより 関連: 第1回講義 第2回講義
Q

Cursorで作ったファイルがどこに保存されているのか分かりません。どう確認すればよいですか?

Cursor(AIが組み込まれたコード編集ツール)で作ったファイルが実際にどこに保存されているのか分からず、不安を感じるという質問です。

Cursorは基本的に、1つのフォルダーを開いてその中で作業する前提で作られています。この点はClaude Code(ターミナル上で動くAI開発ツール)も同じです。作業場所として開いたフォルダーの中に、AIが生成した出力がそのまま入っていきます。

Git(変更履歴を記録・管理する仕組み)で管理していれば、何を編集したかが差分として画面上に表示されます。慣れてくるとAIにすべてコミット(変更を保存する単位で記録すること)させるようになりますが、まだ慣れていない段階や内容をしっかり確認したいときは、CursorのGit画面で「何が変更されたか」を見てからコミットするという流れを繰り返すと、どこの何を変更したかを意識しながら作業を進められます。

注意すべき点として、開いているフォルダーより上の階層や、まったく別の場所にあるファイルもCursorから操作できてしまいます。例えば、パソコンのユーザーフォルダーの直下に .claude というフォルダー(Claude Codeの設定を置く場所)を作ってスキルを保存しておくと、どのリポジトリ(プロジェクトの保管庫)からでも使えるユーザースキルとして機能します。こうした場所は、今開いているプロジェクトのGit管理下にないため、変更しても差分としては表示されません。更新されて終わり、という状態になります。

「保存先が分からなくなる」という不安の多くは、この「今Gitで管理されている範囲」と「管理されていない範囲」の区別がつきにくいことが原因です。まずは自分が開いているフォルダーがGitのリポジトリとして管理されているかを確認し、変更点はGit画面の差分表示で追いかける習慣をつけることが、安心して作業するための第一歩になります。

第2回 質問コーナーより 関連: 第1回講義 第2回講義
Q

AIでLPを自作すると平凡な出力になりがちです。平均点ではなくオリジナリティのある出力を得るにはどうすればよいですか?

非エンジニアが外部デザイナーに頼らずAIでLP(ランディングページ、商品やサービスの訴求に特化したウェブページ)を自作できるようになったものの、出力が平凡で面白みのない平均点に感じられ、かといって具体的な理想イメージが湧かないため、良いページを参考として渡してもそのまま似た形になってしまうという悩みです。平均点でもコピーでもない、オリジナリティのある出力をAIから引き出す方法を知りたいという質問です。

講師のおすすめは、Claude Design(Anthropic社が提供するデザイン生成機能)を試すことです。トークン代(AIの利用料金)がかかり、リリースされたばかりでAI-Driven Schoolではまだ講義として扱っていないものの、その完成度は非常に高いとされています。

Claude Designの強みは3点あります。まず、デザインの土台となる「デザインシステム」(色・文字・余白などの基礎ルールをまとめたもの)を、知識がそれほどない人でも作っていける点です。次に、そこから生成されるデザインのレベルが非常に高いこと。そして最後に、生成されたデザインを微調整するための専用インターフェースまで用意されている点です。デザインシステムを作る最初のステップはやや難解に感じられるかもしれませんが、それを乗り越えると、非常に高いレベルの仕上がりに驚くことになるとされています。

これまでAIで理想的な日本語のランディングページを一から作り上げようとしても、「それっぽいもの」はできても、プロのデザイナーがディテールまでこだわり抜いたレベルのものを作るのは難しく、結局は手作業での仕上げが必要でした。Claude Designはこの壁を破ってきた感覚があると評価されています。さらに、Claude Designで作ったデザインは、そのままClaude Code(ターミナル上で動くAI開発ツール)で実際の開発に落とし込むことも可能です。

第2回 質問コーナーより
Q

AI時代のナレッジ管理ツールとして、ObsidianとNotionはどちらがおすすめですか?

自分に関する様々な情報やコンテキストをAIに渡せるように記録・管理するツールとして、PC・スマートフォン・ブラウザで使えるおすすめのツールを知りたい、ObsidianとNotionのどちらがよいか迷っているという質問です。

Obsidian(AI時代に注目されている、Notionに似たドキュメント管理ツール)は、Notionと比べてよりシンプルな仕組みを持つツールです。Notionは高機能で使いやすい一方、その高機能さゆえにデータの構造がシンプルではなくなっているという特徴があります。純粋なマークダウン(記号で書式を表す軽量な文章形式)ファイルとしてデータを保存したいという観点では、Notionは以前、AIにとってやや使いにくいと感じられたことがありました。ただし近年はNotion自体の性能も向上していると言われています。

講師自身は、情報のほとんどをGit(変更履歴を記録・管理する仕組み)で管理しており、それを操作する際にCursorやClaude Codeを使うことが多いため、ObsidianもNotionも比較検討した結果、現在は日常的に使っていません。これはネガティブな評価ではなく、自身の仕事の流れの中では出番が少ないというだけの話です。Gitのリポジトリ(プロジェクトの保管庫)は基本的に整理整頓されたものを置く場所であり、取っ散らかったメモを自由に置く場所には向いていません。そうした自由なメモ置き場としてNotionやObsidianが検討に挙がりますが、講師自身は情報をどんどん溜めていって後で整理するという作業が苦手で、何度も挫折しているとのことです。

結論として、圧倒的にこのツールが良いという明確な答えは、現時点では存在しません。どれだけコツコツと整理する作業が好きか嫌いかという、個人の好みに左右される部分が大きいため、実際に使ってみて自分に合うものを探すのが最善の方法とされています。

第2回 質問コーナーより
Q

最近話題の自律型AIエージェント(OpenClaw等)について、どう評価していますか?

最近話題になっている自律型AIエージェント(人がその都度指示しなくても、自らタスクをこなしていくタイプのAIツール)であるOpenClaw等について、どう考えているかという質問です。

講師はOpenClawについて実際に調査・研究を行いました。その原理や仕組み、当時の状況を調べたうえでの見解は「やや懐疑的」というものでした。話題としてのバズが先行しているように感じられ、これが主流のツールとして定着していくかについては疑問を持ち、社内でもそう話していたとのことです。実際、収録時点ではOpenClawについて以前ほど話題に上らなくなってきているとも述べられています。ただし、こうした予想が外れることもあり、すべての未来を正確に読めるわけではないという留保がついています。

OpenClawの特徴としては、自分専用の秘書のようなAIを比較的簡単にセットアップできる点が挙げられます。設定すればSlackやLINEといったチャットツール上でやり取りできるようになり、まるで自分専用の秘書と会話しているような体験が得られます。この体験自体は面白く、はまる人がいるのも理解できるとされています。しかし、実際の使い勝手やセキュリティ上のリスクを総合的に考えると、実用レベルで日常的に使っていくにはまだ難易度が高いという評価です。

さらに、OpenClawを正しく理解するには前提となる知識がかなり多く必要になるため、内容そのものの理解のハードルもやや高いとされています。それでも、新しいツールが登場したときには、「結局何なのか」「何がすごいのか」「どういう仕組みなのか」「なぜ他のツールではできないのか」を、一定の批判的な目線を持ちながら一つずつ調べて理解していく姿勢が重要だと強調されています。OpenClawが良い・悪いという単純な結論を出すことよりも、その仕組みを理解したうえで、安易に使う・使わないの判断を下さないことが大切だとされています。

第2回 質問コーナーより
Q

AIとの開発中、コンテキストをリセットすべきタイミングの具体的な判断基準を教えてください。

作業がひと段落してGitにコミットしたタイミングで新しいチャットを開始し、Markdown形式の設計図ファイルを都度更新している、という現在のやり方を踏まえ、コンテキスト(AIとの会話でこれまでのやり取りを覚えている情報の蓄積)をリセットすべき具体的なタイミングを知りたい、という質問がありました。

まず、全員に当てはまる絶対的な基準はないと前置きされました。F1カーのタイヤ交換のタイミングに例えられており、状況に応じた判断が必要だといいます。

実践としては、開発は主にClaude Codeを使用しており、カスタム設定によってコンテキストウィンドウ(AIが一度に処理できる情報量の上限)の消費率をパーセント表示できるようにしているとのことです(この設定方法もAIに聞けば教えてくれます)。目安として、消費率が30%を超えたあたりからリセットを検討し、最大でも50%を超えることはほとんどないといいます。

リセットの操作は、Claude Codeでは /clear コマンド、Cursorでは新しいチャットを立ち上げる方法が紹介されました。これまでの作業内容を次のチャットに引き継ぐ手間を省くため、「ここまでやってきたことを次のエージェントに伝えることをコピーして」とAIに依頼し、リセット後に貼り付けるという工夫も紹介されました。

さらに、コンテキストウィンドウの消費率だけが基準ではなく、細かい確認作業を何度も繰り返していると、消費率が低くてもAIの性能が体感的に落ちていくことがあるため、パーセント表示はあくまで目安として捉え、最終的には自分の感覚で判断することがすすめられました。

なお、使用するツール自体(Cursor・Claude Code・Codex・Antigravityなど)にも絶対的な正解はなく、時代や好みによって移り変わるものであり、実際に使い比べて自分に合うものを選ぶことが推奨されています。

第3回 質問コーナーより 関連: 第2回講義
Q

Cursorで自分用のツールやスキルを複数のチャットで並行して作っていると、『あのチャットどこだっけ』とわからなくなってしまいます。対策はありますか?

Cursor(AIを組み込んだコードエディタ)で複数のチャットを同時に立ち上げて作業を進めていると、どのチャットで何を進めていたか分からなくなってしまう、という悩みが寄せられました。

これは「あるある」の悩みだと共感が示されました。Cursorのチャットの1つのタブは「エージェント」と呼ばれており、複数のエージェントを同時並行で動かしていると、どこで何をやらせていたか分からなくなる、いわゆる「エージェント迷子」の状態になりやすいといいます。

対策としておすすめされたのは、作業を始めるときにチャットのタブへ名前をつけておくことです。Cursorではチャットのタブに名前をつける機能が用意されており、最初に作業内容がわかる名前をつけておくだけで、迷子になりにくくなるという、シンプルながら実践的な工夫が紹介されました。

第3回 質問コーナーより
Q

Claude CodeのRoutinesとはどんな機能で、どのように使うべきでしょうか。

Routinesは、2026年4月にClaude Codeに追加された機能です。簡単にいうと「ある条件を満たしたら動いてね」という指示をあらかじめ設定できる仕組みで、例えば毎朝9時に特定のタスクを実行させることができます。時間による指定だけでなく、API(アプリ同士をつなぐ窓口)経由で外部のアクションをきっかけに動かすこともできる点が大きな特徴です。例えば、公式LINEアカウントを作り、そのチャットで特定の文字を送るとClaudeが動く、といった連携も可能です。似た仕組みはCursorにも「Automations」という名前で存在し、ほぼ同じことができます。

なお、Claudeには「Cowork」という別の機能があり、そこには「スケジュール」という、一定のスケジュールで仕事をしてもらう仕組みもあります。これは言葉通り定期時間のトリガーのみですが、Routinesは定期時間だけでなく、何か別のアクションをトリガーに動かすこともできるという意味でこの名前が付けられています。

どれか1つに絞っておすすめするのは難しいものの、まずは「定期時間で何かをやってもらう」設定から始めるのがおすすめだとされています。情報をリポジトリ(プロジェクトの保管庫)で管理していれば、その情報に基づいて自動で仕事をしてもらう設計もできます。開発をほとんどClaude Codeで行っている場合は、開発に関わるものをすべてClaude上に集約し、Routinesを活用するのが良いとされる一方で、文章作成についてはまだCursorを使う場面が多いとのことです。

なお、Routinesの「便利な使い方」を1つに絞って教えることは、AI-Driven Schoolの中心にある「自分の仕事に最適化した専用ツールを作る」という考え方とやや矛盾するとも指摘されています。誰が使っても恩恵を受けられる使い方があるなら、それはAnthropic自身がすでに機能として実装しているはずだからです。他人の使い方はあくまでヒントとして参考にしつつ、仕組みを理解したうえで自分の仕事に当てはめて実際に手を動かしてみることが、最も重要だとまとめられています。

第4回 質問コーナーより

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